20年ほど前、私が高校生の時になりますが、早朝に祖母から電話があり、痴呆症の祖父が朝起きたら家からいなくなっていたとの知らせが入りました。祖父はその時痴呆症になってから2年くらいで、祖父自身と祖母のこと以外はほとんど記憶がない状態でしたが、体は比較的健康で、1人で歩くことくらいは可能な状態でした。痴呆症になってから度々1人で外に出たがるようになったため、祖父が勝手に外に出ないよう常に祖母は警戒していたのですが、早朝の寝ている間に外に出られてしまいました。

 

祖母はすでに警察には連絡したようでして、私達も家族総動員で祖父の家の周辺に向かい、手分けをして捜索をしました。探偵にも依頼したのです。

 

私は学校に登校する前の5時半から7時まで探し、父や姉も兄も仕事に行く直前まで必死に探しました。他の親戚も駆けつけてみんなで探したのですが、朝は見つけることができませんでした。

 

祖母や仕事がない母などが残って捜索を続け、結局昼くらいに警察から祖父が見つかったとの連絡がありました。

 

警察によると、家から3キロほど離れた見知らぬマンションに行き、知らない家のチャイムを延々と鳴らし続けていたそうです。その家の住人は当初は祖父に対して怒ったそうですが、祖父と話すとすぐに痴呆症だと気付き、警察に連絡をしてくれたようでした。そのため探偵の出番はなかったということです。

 

チャイムを連打していたという話が今では笑い話になるのですが、早朝から鳴らされた側の住人はさぞかし迷惑だったことでしょう。